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祗園今昔 坊や物語 3

アルバイトを始めたのは18になる少し前からでしたが、それまでにも叔父や友人の父等のおつきでお茶屋さんやクラブに出入りしたり、配達でバックヤードに入った経験は有りましたが、其れは少し水商売を覗いただけ。

なんでもそうですが、遊びってたまにしたんでは何にも面白くなく、続けて常連になってこそ。

少なくともお店に入って名前を名乗らずとも、さっとボトルが出てくるようにならなければ面白い事も何とも有りません。

そういう観点から考えてみても、ここまで定期的にどっぷりと水につかると、ほんま、何もかも珍しくて、全く違う世界の作法や常識に戸惑い、でも又其れが新鮮で、入って2ヶ月くらいは、びくびくしながら、ひたすら怒られないように、ミスをしないことだけ考えて働いてましたが、実に刺激的でスリリングな毎日でした。

数ヶ月が経ち、なんとかやっとこさ少しは間に合うな、って黒服の先輩やマネージャーに認めてもらえるようになると、今までの狼狽振りが不思議なほど余裕が出てき、今まで見過ごしていた色々な事が目に入ってくるようになって来ました。

それに連れていわゆる余禄がもらえるように。

働き始めで一番楽しかったのは外回りのお供、是も余禄のうちの一つ。

開店準備や仕込みが終わって営業時間になってもお客さんが来ない日は、マネージャーは外回りに出られます。

店が暇な時はよくそのお供をしました。(まあ暇潰しの話し相手です)

ぶらぶらと祇園の裏道や抜け道を練り歩くと、顔の広いうちのマネージャーはそこら中知り合いのようで、色んな人と挨拶を交わし、少し歩いては立止って情報交換を同業者と交わしてました。

一見、たわいも無い話のように僕には思えましたが、曰く、他店情報や客とホステスの噂、女の子の素行など凄い情報源になるそうです。

タバコ屋やケーキ屋、たこ焼き屋、花屋、そこら中の店に挨拶して廻ります。

そしてマネージャーは自分のお店のホステスがアフター(店が終わったあとお客さんと、飲食に行く事)に良く使うお店は、こういう暇な時には必ず覗いては酒一杯引っ掛けて少しお金を落として、お礼を述べ、たまには差し入れまで持って行って、自店ホステスのアフターでの対応、客との関係などを事細かに探っていました。

マネージャー曰く、ホステスの素行調査のみならず、こういうアフターの店のマスターとホステスが出来てしまう場合がちょくちょく有るそうで、そのリサーチと火種消しも兼ねていたようです。

遊んでいるようで遊んでいないんですね~!?

お店の話に戻ります。

お客様がこられても僕は高校生だったので基本的に接客は無し、裏で用事の無い時(お客さんが居ない時)は最初はぼーっとしてたんですが、あんまりする事が無いんで、来店中のお客さんの情報を帳面に整理して行きました。(この辺が現役高校生らしい!?)

接待や同伴の時は予め誰が来られるのか判っているんで、お馴染みさんの場合はチーフやマネージャから、常連さんの好きなタバコとつまみを用意して置くように指示が有り、ボトルの替えもしっかり注文し用意しておきます。

基本、営業中に酒を配達してもらうってのは格好悪いのでタブーでした。

Aさんは何々ちゃんがお気に入りだから直ぐにお付けして、とか何々ちゃんは相性悪いから駄目とか、ママやチーママからも指示が有ります。

この点に関しては水商売の長い人は皆な凄い記憶力と感心させられました。

ママの口癖も「水商売は記憶力」で、よく見習いホステスさんは覚えが悪いと注意されていました。

確かに物覚えの悪い見習いさんは、このお店では長続きしない事が多かったですね。

ただ急なお客様の来店で、しかもママやマネージャーが居ない時、もしくは上得意さんの席に付かれていて手が離せない時は、的確な指示と情報が無いんで、結構みんなおたおたします。

そのどたばたの有った日は、ほぼ店が終わると恐怖のミーテイング、このミーテイングは怒られるだけ怒られてしかも無給、ほんま僕にとっては最悪の時間でした。

それも有って、暇なときはしこしこと、お店情報帳みたいな物を作り始めました。
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